必要な用具
 切断には、カッターナイフ、折り目を入れるには洋裁用のコテを、定規をあてて使います。これを基本に、コンパス、三角定規、木工用ボンド、速乾ボンド(合成ゴムボンド)、彫刻刀の丸刀数種類(または目うち・きり)があればいいでしょう。
 さらに目的によってあれば便利な道具があります。
・木づちまたは金づち・穴あけポンチ・(ハトメ打ち)・カッターボード(カッター用の下敷き)・
セロハンテープ・のりハケ・塗料・長い金定規(60センチ〜1メートル)

切る
 1回で切ろうと力を入れなくていいのです。まずはダンボールの上の紙だけを切るつもりで切り、2〜3回繰り返して切って、切り離します。
 ダンボールに対しカッターは垂直にし、きちんと定規に沿わせて、ぐらぐらしないようにして切ります。
 定規はしっかりと押さえ、押える手が定規から出ないように注意しましょう。カッターの歯は折って新しくして使いましょう。

●直線 切り線に沿って定規をしっかりあて、カッターナイフを手前に倒し、手前に引いて切ります。
●半切れ ダンボールの片面と波面(中芯)、つまり厚さの半分くらいまで切ることを言います。こうすると、切り口を山折りにきれいに折れます。
●円 手ごろな大きさのビンのふたやカンの底、お皿をダンボールにあてて、いったん切り込みを入れます。ふたなどをはずし、ダンボールを少しずつ回しながら、2〜3回で切ります。
●片面ダンボール 波面を裏にして切ると、波面がつぶれずにきれいに切れます。
直線
半切れ

穴をあける
●小さい穴
 きりか千枚通しを使います。
●中くらいの穴 ポンチ(ハトメ打ち)が便利です。ポンチをダンボールに押しつけるようにして、木づち(金づち)でたたきます。
直径1ミリ〜30ミリまでのポンチが市販されています。
●直径5ミリ〜10ミリくらいの穴 彫刻刀(丸刀)で位置を変えながら押し切ります。
●大きな穴 カッターナイフで切れる穴はカッターで。それより小さい穴は、あける穴よりやや内側をキリで1周刺し、穴をむしりとります。必要ならば、カッターなどで調整します。
穴をあける

折る
 折り線に沿って定規をあて、洋裁用のコテで折り筋を入れます。筋を入れます。このとき、ダンボールをつぶすくらいの気持ちで力を入れます。筋を入れた方が、谷折りです。
 山折りは、折り線の両端を千枚通しでさし通して、しるしををつけてから、裏返して谷折りと同じように折り目をつけます。
 折り目は組み立てる前につけ、折りぐせをつけておきます。折り筋が長いところは、折れ目に指をあて、少しずつ指をずらしながら折りぐせをつけましょう。
 また、急に折るのではなく、少しずつ折る角度を大きくしていって、全体を90度くらいまで折ります。
●二つ折り 折り重ねが横目の場合は、ダンボールの厚みの1.5倍の間隔(5ミリだったら7.5ミリ)で、2本の折り筋を入れて折ります。
 折り重ねが縦目の場合は、波目をひとつあけ、2本の折りすじを入れて折ります。とくにダンボールの目の方向をまちがえると、うまく折れなかったり、仕上がりがきたなくなりますので、十分注意してください。
折り目をつける
二つ折り

貼る
 木工用ボンドが適しています。
 ボンドは、薄くのばして両面につけ貼り合わせるとしっかりつきます。雑誌などの重しをのせておきましょう。
 ダンボールが便利なのは、のりしろをとらないでも、切り口にボンドをつけて貼り合わせられることです。はみ出したボンドは、乾かないうちにふきとりましょう。
 片面ダンボールを貼り合わせる場合は、波面を定規などでつぶしてから貼ります。

塗る
 絵の具、ポスターカラー、マーカーなどなんでも塗れます。鮮やかな色にしたいときは、下地に白を塗っておきます。
 また、ニスやラッカーなどで塗装すると、ダンボールにしみ込みとても丈夫になります。ただし紙の繊維が起きることがあるので、乾かしてサンドペーパーで軽くこすり、さらに塗装するときれいに仕上がります。
 千代紙、和紙、包装紙、布などをのりづけすると、きれいで、さらに丈夫になります。
波面をつぶしてから貼る

 ダンボールは厚みがあるので、表が切れていても裏は切れていません。裏返しにして表と同じ位置まで切ります。ダンボールの切り口は、するどくなっているので、手を切ることがあるので注意しましょう。固いもの(ヘラやカッターの柄など)で軽くしごき、かどをつぶしてください。
 下敷きには、カッター専用の下敷きの他に、ベニア板、ダンボール、厚手のボール紙などが使えますが、思わず力がはいってしまって、机やテーブルにキズをつけないように気をつけましょう。
ダンボールの目の方向
「ダンボールでつくる」桧山永次 薯(大月出版)より