第65代理事長
【氏名】清水 大輔(しみず だいすけ)
2012年 | 入会 | |
研修特別委員会 | 委員 | |
公益運営委員会 | 委員 | |
2013年 | 総務委員会 | 委員 |
理事長セクレタリー | ||
2014年 | 希望に満ちた国際都市姫路推進委員会 | 副委員長 |
(日本)国際アカデミー委員会 | 委員 | |
2015年 | 総務委員会 | 委員長 |
(兵ブ協)財務規則審査会議 | 委員 | |
2016年 | 総務室室長 | |
(日本)国際アカデミー委員会 | 副委員長 | |
2017年 | 専務理事 | |
2018年 | 副理事長 | |
(日本)国際アカデミー委員会 | 指名委員 | |
2019年 | 監事 | |
(日本)SDGs推進会議 | 委員 | |
(近地協)会務担当副会長 | ||
2020年 | 副理事長 | |
(日本)国際会議支援委員会 | 委員 |
公益社団法人 姫路青年会議所 2021年度理事長所信
先駆者たれ
~共感で拡がる誰もが輝ける持続可能なまち~
【はじめに】
元号が変わり、誰もが期待に胸を膨らませ、夢と希望に溢れていた世の中は、新型コロナウイルスの発生により、大きく様変わりをしました。世界に目を向けると、グローバル化の波が急に逆戻りをしたかのように、111の国と地域で世界人口の約半数の人々が外出禁止状態となり、国境の閉鎖とともに世界中で活躍していた人々が一斉に帰国の途に就き、各国で都市部から過疎地へ大幅な人口移動が起こりました。また、国内では、中国への依存過多によるサプライチェーンの混乱や行き過ぎたインバウンド政策、東京一極集中による災害時のリスク等、抱えていた問題が浮き彫りになり、姫路市においても、第2波・第3波の到来に不安を抱えた生活を強いられ、終息の見通しが立たない中、飲食業や観光関連産業、製造業等、多業種に亘り業績が悪化し、多くの企業が存続の危機に立たされています。我々も長期に亘る自粛期間を経験し、在宅時間が増える中で、今まで当たり前だと思っていた日常生活に感謝し、家族や友人との絆を愛おしく感じるとともに、自らの将来を見つめ直す機会となったのではないでしょうか。コレラ、ペスト、スペイン風邪、そして新型コロナウイルス。繰り返し人類を襲い、その都度、窮地に陥れてきた疫病は、時代の大きなターニングポイントとなってきました。今こそ我々JAYCEEは、この国難とも云える新たなパンデミックの経験によって顕在化してきた課題を解決する絶好の機会を得たのではないでしょうか。これからを担う世代として、何事も前向きに捉え、青年らしい発想の転換で明るい未来を描き、その実現に向けて積極的に運動を展開して参りましょう。
姫路青年会議所は、高い志を持った44名の青年の手により、国内114番目の青年会議所として1957年に誕生し、本年は創立65周年を迎えます。創立以来、先輩諸氏が、姫路のまちをより良くするために率先して行動し、一年一年積み重ねて来られた運動は、多くの人々の共感を生み、固い絆を育みながら、このまちとともに発展をしてきました。コロナ禍において、必要なものとそうでないものとの違いが明確になり、社会の仕組みが大きく変わろうとしている中、これからも我々が地域の課題を調査研究し、率先して行動に移すことで、人々の共感を獲得し、個性豊かに誰もが輝ける持続可能なまちを築いて参ります。
【LOM運営基本方針】
「ひとが行動を起こすとき」それは、自分の想いが相手に届いた瞬間、そこに共感が生まれ、ひとの心が動き、行動を起こすのではないでしょうか。目に見えるものは変化し、やがて淘汰されていきますが、目に見えないものは、どのような状況下でも不変であり、古来より日本で大切にされてきました。姫路青年会議所は、創立以来、産官学民とのつながりを大切にしながら、地域に根差した運動を展開することで、人々から共感され、その心を動かしてきました。本年、創立65周年を迎えるにあたり、これからも先輩諸氏から受け継いできた、かけがえのない運動と熱き志を胸に秘め、姫路のまちに必要とされる魅力ある団体として、我々JAYCEE一人ひとりが砥礪切磋し、率先して行動を起こさなければなりません。そして、我々の運動によって、周囲の人々の心の琴線に触れ、共感を呼び起こし、その人々が新たに行動へと移すことで、その周囲に共感を与え、また新たな行動者が増えるといった、共感の連鎖が生まれることで、やがて大きな運動へと発展していきます。いつの時代も青年の手によって未来が切り拓かれてきたように、ひとりの行動から組織がつくられ、運動が起こり、まちがつくられるのであれば、それは間違いなく我々の役目です。自らの可能性を信じ、Withコロナという未知なる可能性へ果敢に挑戦し、個性豊かに誰もが輝ける持続可能なまちを目指し、先駆けて運動を展開して参りましょう。
【2021年度重点事項】
1.65周年記念事業
2.共感で拡がる誰もが輝けるひとづくり
3.共感で拡がる誰もが輝けるまちづくり
4.共感で拡がる誰もが輝ける組織づくり
5.共感で拡がる誰もが輝けるLOMの創造
1.65周年記念事業
姫路青年会議所は、1957年に創立され、65周年という節目を迎えます。これまで先輩諸氏の手によって歩んで来られた道は、決して平坦なものではなく、英知と勇気を振り絞り、飽くなき挑戦と妥協なき情熱によって展開されてきた運動によって、周囲の共感を呼び起こし、現在の姫路青年会議所を築き上げてこられました。その数々の運動に対し、感謝と敬意を表するとともに、この節目の年に、これまでの運動を踏まえ、これからの時代に即した運動を見出し、掲げることが必要であると考えます。現状の地域課題を解決すべく、我々が率先して行動を起こし、カウンターパートと連携・協働することで、誰もが活躍できる持続可能な姫路のまちを構築せねばなりません。時代の変遷とともに、青年会議所に求められる内容や運動の手法は変化していますが、その根本に存在しているのは、いつの時代も地域の発展を願う心です。これまで支えてくださった全ての人々に感謝し、これまでのつながりを大切にしながら、我々の行動によって周囲の共感を呼び起こし、新たな価値を創造する65周年記念事業と致します。
2.共感で拡がる誰もが輝けるひとづくり
公益社団法人姫路青年会議所が2018年度に開催した、公益社団法人日本青年会議所の主要事業であるJCI国際アカデミーにおいて、民間外交の大きな懸け橋となり、参加した子どもたちのその後の人生を左右する大きなインパクトを残しました。また近年、姫路市においても外国人雇用企業の増加に伴い、在住外国人が増加し、グローバル化の波が押し寄せています。新型コロナウイルスの影響により一旦収まっているように見えますが、この波は決して止められないでしょう。子どもは地域の宝であり未来への希望です。語学力やコミュニケーション能力だけでなく、主体性や積極性、協調性等を持ち、日本人としてのアイデンティティと異文化を受け入れられる精神性を身に付けなければなりません。そして、2020年度から改訂された新しい学習指導要領には、子どもたちの生きる力を育むために、これからの社会が変化し、予測困難な時代になろうとも、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、それぞれに思い描く幸せを実現してほしいという願いが込められています。子どもの育成は、教育機関に一任するのではなく、地域全体で取り組むべき課題です。我々がこれまで構築してきたネットワークをさらに拡げ、子どもたちが個性豊かに輝けるよう、生きる力を育み、これからの社会がどのような問題に直面しようとも、自らの意思で起こした行動によって周囲の共感を呼び、沢山の人々を巻き込みながら、解決へと導くことができる人財を育成して参ります。
また、姫路青年会議所には先輩諸氏から受け継いできた新入会員を1年かけて育成する独自のプログラムがあります。入会をともにした同期は、様々な機会を通して長い時間を共有し、切磋琢磨することで、互いの生き方に共感し、固い絆で結ばれるとともに、個人の自己成長へと繋がり、その後の人生の財産となっています。青年会議所の4つの機会を経験することで自らの視座が高まり、他人事を自分事に変え、何事も前向きに率先して行動できる人財となり、やがて地域を牽引するリーダーへと成長していきます。
3.共感で拡がる誰もが輝けるまちづくり
政府は 東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、国全体の活力を上げるために地方創生という政策を打ち出しました。2020年より第2期総合戦略に入り、新たに、新しい時代の流れを力にする。多様な人材の活躍を推進する。という2項目が追加されました。世界文化遺産をはじめとする様々な魅力を擁する姫路市においても、少子高齢化や人口流出による人口減少により、地域の活力低下の危機にあります。これまで我々は、産官学民との連携・協働を通したまちづくり運動をおこなってきました。これをさらに前進させるには、この多様性の時代において、様々な属性の違いを認め合い、強みに変えるダイバーシティの要素を取り入れることで、新たな可能性を見出すことができるのではないでしょうか。多様な価値観と魅力ある地域資源を活かすことで、姫路のまちの活力向上に取り組んで参ります。
また、日本は世界でも有数の地震大国であるとともに、近年全国各地で台風や集中豪雨による大規模な水害が発生し、河川氾濫や土砂災害の被害に見舞われています。姫路市においても災害救助法が適用されるような水害を過去に経験していますが、現在の防災、減災への取り組みは十分と云えるでしょうか。また、新型コロナウイルスの感染拡大を災害と捉える動きがあり、感染拡大と同時に自然災害が発災した際の複合災害に対する備えに関しても喫緊の課題です。姫路のまちに住まう人々が安心して暮らせるために、天災にいつ見舞われても、迅速な復興を可能にするレジリエントなまちづくりの推進が必要です。
新たなパンデミックを経験し、Withコロナの時代と云われるように、新型コロナウイルスと共存する新たな生活様式が求められています。その中で、地方創生の実現に向けて、我々にどのような運動が求められているのかを明確にし、新たな一歩を踏み出すことで、人々の共感を生み、個性豊かに誰もが輝ける持続可能なまちを目指して参ります。
4.共感で拡がる誰もが輝ける組織づくり
青年会議所は40歳で卒業を迎えることで組織の新陳代謝を図り、常に新たな挑戦を続ける団体です。期限があるからこそ常に情熱を持ち、希望に溢れ、未来に向かって前向きに運動を展開することができます。近年、全国的に会員減少に歯止めがかからない状況が続いていますが、一方で毎年会員拡大に成功しているLOMがあります。この違いは、会員一人ひとりの意識の差ではないでしょうか。会員拡大は、青年会議所のスケールメリットだけでなく、我々の理念や運動に共感していただき、候補者の意識を変え、活動をともにする仲間を増やすことです。そのためには、まず会員一人ひとりがこの組織に誇りと愛着を持ち、日頃から家族や社員、友人といった身近なひとに青年会議所の魅力を伝えなければなりません。全員が継続的に行うことで、やがて多くのひとに伝播し、必ずや会員拡大に繋がります。公益社団法人姫路青年会議所は向こう3年間で会員の半数近くが卒業を迎える団塊の世代を迎えます。今後も魅力ある団体であり続けるために、会員全員で活動する仲間を増やし、誰もが輝ける組織として未来に引き継いで参りましょう。
また、我々の運動は市民の意識を変革することにあり、より多くの市民の心を掴むことでその価値が高まります。情報が大量に氾濫し、取捨選択される情報過多の現代において、効果的に情報を発信することは容易なことではありません。ターゲットを明確にし、それぞれのツールの特性を活かした的確な手法で我々の運動や活動を見える化し、受け手の立場で内容を吟味した広報活動を展開することで、共感が生まれ、やがて大きな運動へと発展するとともに、組織の存在価値が高まります。また、本年度も兵庫ブロック協議会会長をはじめ、多くの出向者を輩出します。出向で得た学びや経験は、個人の成長だけでなく、LOM内で共有することで組織の持続的な発展と運動の進化へと繋がります。勇気ある決断をした出向者が実力を存分に発揮できる1年となるよう、常に寄り添い支えることでバックアップ体制を構築して参ります。
5.共感で拡がる 誰もが輝けるLOMの創造
青年会議所を構成するのは会員一人ひとりであり、つながりの深さや強い絆で結ばれていることから、よく家族に例えられます。いま我々が地域に影響力のある団体として、運動や活動が出来るのは、先輩諸氏一人ひとりのまちや仲間を大切に想う心と行動の積み重ねによるものです。今日まで諸団体と築いてきた関係を大切にするとともに、この家族とも云える組織を築いてくださった先輩諸氏に心から感謝し、伝統や想いを次代に引き継いでいかなければなりません。また、姉妹JCである唐津青年会議所とは締結55周年、濠江青年商會とは締結30周年を迎えます。これまでのつながりに感謝し、より強固な関係を築いていくとともに、我々の組織がさらに発展していくために、青年会議所や地域のネットワークを活用し、新たな関係を築くことを検討して参ります。
また、姫路青年会議所は、県下25青年会議所の中で唯一、公益法人格を取得し、2012年よりその歩みをスタートさせ10年目を迎えます。効果的な予算執行と法令を遵守した公益性の高い事業を実施することで、内部統制が行き届いた、地域から信頼される組織を目指し歩んで参りました。この組織をさらに発展させ、未来へ引き継いでいくためには、時代に即した青年会議所のシステムを模索する必要があると考えます。組織のために運動を展開するのではなく、運動を展開するために組織があり、仮に組織の柵に捉われて運動を制限されているとすれば、それは本末転倒です。また、この度の活動自粛期間中に、ICTを活用した会議を実施するなど、急速にデジタルシフトが進みました。これからも従来の手法にこだわらず、将来を見据え、積極的な活用を検討していかなくてはなりません。
我々が受け継いできた組織の根本を変えないために、時代の流れに応じた柔軟な対応を心掛け、会員が運動や活動を行いやすい環境を整えることで、周囲から共感され、誰もが輝けるLOMを創造して参ります。
【最後に】
「箸よく盥水を回す」という言葉があります。一人ひとりの力は、決して大きなものではないかもしれません。しかし、細い箸でも盥の中の水を根気よく熱心に回し続ければ、周囲の水が少しずつ回るようになり、やがて全体に行き渡り、大きな渦となって動き出します。我々は、世の中で起こっている問題に対し、無意識に自分一人の力ではどうしようもないと、目を背けているかもしれません。しかし、今までの青年会議所運動がそうであったように、全ては一人の決断と行動から始まります。運動や活動に全力で取り組むことで共感が生まれ、その周囲の方たちと分かち合い、さらに共感が拡がり、繰り返されることで、やがて社会を変えられる大きな力へとなります。当たり前のことが当たり前でなくなった今、将来を不安視するか、未知なる世界に挑むチャンスと捉えるかによって、その行動が大きく変わり、結果的に全く違う未来が訪れます。何かを始めることは決して怖いことではなく、本当に怖いのは何も始めないことです。今日一日の積み重ねの先に未来が存在するのであれば、我々が変化の起点となって、今しかできない、今だからこそできることを追求し、率先して行動に移すことで周囲の共感を呼び起こす先駆者となり、個性豊かに誰もが輝ける持続可能なまちを築いて参りましょう。
皆様の積極的なご支援、ご参画をお願い申し上げます。