2024年08月31日(土)第5回 ユニバーサルスポーツネット JAM 編

第 5 回 ユニバーサルスポーツネット JAM 編
地域で活躍するスポーツ団体を繋ぐハブの役割
〜熱き想いをもった有志が拡げる、ユニーサルスポーツ〜

皆さま、はじめまして。公益社団法人姫路青年会議所 ダイバーシティ推進委員会の黒田と申します!
2024 年度、私たちはダイバーシティ推進委員会として、幅広い情報を調査し、皆さまにダイバーシティに関する情報を発信してまいります。
さて、今回で早くも 第 5 回 を迎えることとなりました!今回は姫路市内で幅広く、スポーツを通じてひとと地域の繋がりを創る活動されている「ユニバーサルスポーツネット JAM」に訪問させていただきました!
主な概要は次のとおりです。

 

団体概要

【会社名】ユニバーサルスポーツネット JAM
【所在地】姫路市中地 453
【設 立】2004 年 1 月(任意団体として設立)
【団体情報】
ユニバーサルスポーツネット JAM は約 20 年前に姫路市内において「ユニバーサルスポーツの普及活動をしたい!」という熱い想いをもった有志で発足された団体です。同団体は、ユニバーサルスポーツを普及させ、誰もが生涯を通して楽しめるスポーツの裾野を拡げることで、様々な人々が年齢や障害の有無を超えて交流することができ、地域の活性化や共生社会が実現できる、と考え、子どもたちに様々なスポーツを体験する機会を提供する「スポーツ体験隊」やユニバーサルスポーツイベント「と・も・に春 2023」などを主催してきました。また、毎月第 2 木曜日に様々な職種のメンバーが集い、活動報告や、今後のユニバーサルスポーツを含め、姫路市内のスポーツ事業について情報共有をされております。

ユニバーサルスポーツネット JAM さんインタビュー

(前列写真手前左から)池島さん、苦木さん、福本委員長、浅見さん、丸山さん、坂本さん、園田先生、竹中先生、山崎さん、黒塚さん、高橋先生

(JCI 姫路) 本日はよろしくお願いします。
(JAM さん) こちらこそ、よろしくお願いします。
(JCI 姫路) まずは、ユニバーサルスポーツネット JAM(以下、JAM)を立ち上げられたきっかけを教えてください。
(JAM さん) はじまりはサッカーです。サッカーチームを立ち上げたことがきっかけ
で、スポーツを通じ、姫路市にナショナルトレセン級のサッカー場を誘致しよう。というのが始まりでした。
(JCI 姫路) なるほど。サッカーがきっかけだったのですね。
(JAM さん) はい。
(JCI 姫路) 名前はどのように決まったのですか。
(JAM さん) 名前の由来は、色々な業種のメンバーが集まり交じりあっているので、食品の「ジャム」から「JAM」にしましたが、何をしている団体か分かりにくかったので、誰でも参加できるユニバーサルスポーツを組み合わせて、「ユニバーサルスポーツネット JAM」となりました。
(JCI 姫路) なるほど。次に、JAM さんの主な活動はどのような内容ですか。

(JAM さん) はい、姫路市内の各競技団体イベントや、団体や個人では解決できない問題を、JAM が連絡調整役やサポートをする活動を主にしております。また、月 1 回情報共有の場として集まっています。
(JCI 姫路) そうなのですね。個人で活動されている方の課題は想像できますが、団体によっても課題があるのですね。
(JAM さん) はい。特に個人で活動されていると、練習場所や大会へのエントリーなどを調整する苦労や、特にパラ競技の選手は特に大変だと聞いています。
(JCI 姫路) 苦労されているのですね。
(JAM さん) だからこそ、調整役となる位置づけの団体が必要になります。
(JCI 姫路) JAM さんの活動の中で、記憶に残るエピソードがあればお聞かせください。

(JAM さん) Do スポーツというイベントです。一昨年開催したときに、下半身不随の子どもがイベントに参加された小学生との出会いが深く記憶に残っています。その時に車いすバスケットを体験し、それ以降、定期的に練習を行い、今もなお継続してくれていることです。このように、イベントを通して繋がりができたことが、一番記憶に残っています。
(JCI 姫路) 参加された小学生は何年生くらいですか。
(JAM さん) 現在は 4 年生ぐらいだったと思います。
(JCI 姫路) そのような運動をしたい方が、ハンディキャップがあってイベントに来られる方は多いですか。
(JAM さん) はい、いると思います。統計はとっていませんが、姫路市内にも潜在的いらっしゃると思います。
(JCI 姫路) そうですか。それであれば、そういった方が参加しやすい機会が必要ですね。
(JAM さん) その通りですね。行政などと連携し、そういった機会の場を設けることは今後も必要かと考えています。
(JCI 姫路) 次に、ユニバーサルスポーツを積極的に行う市町村はありますか。
(JAM さん) 兵庫県はユニバーサルスポーツやパラスポーツを積極的に取り組んでいると思います。また、姫路にはエストレラパワーズという知的障がい者サッカーチームがあります。ほかのひとには認知にくい問題が生じています。
(JCI 姫路) エストレラパワーズはどのように活動されているのですか。

(JAM さん) エストレラパワーズは、「楽しく、自然のままで」をモットーに、エストパークを中心に毎週土曜日と日曜日を活用にして練習をしております。
(JCI 姫路) そこには JAM さんとして関わりなどはあるのですか。
(JAM さん) はい。エストレラパワーズと連携し、毎月第 3 土曜日を「JAM デー」としてエストパークで、誰でも参加できる練習会を毎月実施しています。
(JCI 姫路) そういった取り組みをされているのですね。
(JAM さん) 遊び感覚で参加していただき、その後も継続して来られる方もあり、徐々に浸透していると実感しています。
(JCI 姫路) それは素晴らしいですね。そういった体験ができることで、色々なひとと繋がりもできるということなのですね。
(JAM さん) そうですね。サッカーだけでなく、他の種目でもこのような機会が姫路市内各地で増えていただければと思っています。

(JCI 姫路) 他には何かイベントなどはあったりされますか。
(JAM さん) そうですね、4 月 2 日の自閉症デーのブルーライトアップという、取り組みをしております。姫路城でもライトアップを毎年行っております。
(JCI 姫路) スポーツだけでなく、そういったイベントも関わられているのですね。
(JAM さん) 色々な繋がりを創ることが大切と考えています。
(JCI 姫路) なるほど。そういったイベントは今後も続けていかれ、新たな取り組みをされる予定ですか。
(JAM さん) 正直なところ、イベントは開催しないのが一番良いと思っています。
(JCI 姫路) それはなぜでしょうか。
(JAM さん) イベントとして開催になると、あくまでその内容を知っていただく機会
や、推進をすることが主になるので、非日常になってしまうからです。
(JCI 姫路) そういった理由があるのですね。
(JAM さん) ハンディキャップをもつ方と健常者の方が日常の中で自然と関われることが、何より重要だと考えています。
(JCI 姫路) 確かに日常の中で当たり前になるが重要ですね。そういう点であれば、行政との連携などはありますか。
(JAM さん) 障害福祉課や、スポーツ振興課などありますが、ハンディキャップをもつ方はスポーツをしたいときに、どこに相談に行けばいいか分からないとい
う問題があります。
(JCI 姫路) それに対してはどのように対応されていますか。
(JAM さん) 明確な対応がないのが現状です。
(JCI 姫路) 何か解決策があればですが、JAM さんとして考えなどはありますか。
(JAM さん) JAM として、情報発信を SNS などを活用して伝えていくことが近道かと考えております。実際に、SNS を通じて件数はまだまだ少ないですが、
問合せがあり対応させていただいています。
(JCI 姫路) 最後に今後の展望、JAM としてどうしていきたいか未来像、方向性を教えてください。
(JAM さん) 今まで通り、来るものを拒まずというスタンスが一番参加しやすい形ではあります。例えば、会費制や登録制にすると重荷になってしまいます。しかし、ダイバーシティやユニバーサルにあらわされるようにボーダーレスになっている昨今では、ユニバーサルスポーツが埋もれてしまわないように、この集団を組織化することも必要であると思っています。しかし、先輩の方々が考えた結果この形になっていると思うので、形を変えすぎず、新しい形も考えながら、受け取ったバトンを渡していければと思っております。

〜 記事のまとめ 〜

ユニバーサルスポーツネット JAM 様への取材を通じ、ユニバーサルスポーツや障がい者スポーツの普及推進を任意団体ではありますが、幅広く活動されていることが、今後の姫路のまちや市民の方にとって、重要な役割であることが伝わりました。また、地域を含め、誰もが日常的に触れ合えることが重要であることを感じました。
スポーツだけでなく、ひととの繋がりを創る機会が薄れていっているので、一人ひとりが自分ごとのように考えていくことも重要であると思いました。
身近な知り合いや、自身のまちに暮らす人たちにも潜在的にこういった機会の場を求めている方がいるのではないかと思うと、今後はアンテナを立て、情報を提供できる人財になっていくことで、地域の活性化に繋がっていくのではないかと感じました。
今回の取材を通じて、様々な課題はありますが、ユニバーサルスポーツに限らず、誰もが参加できる機会を提供できるように、活動を展開していく所存です。最後に、貴重なお時間を割いていただいたユニバーサルスポーツネット JAM の皆さまに心から感謝申し上げます。この対談が、姫路におけるユニバーサルスポーツの推進に大きな一歩となることを確信しています。

アンケートへのご協力をお願いします。
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