2024年10月25日(金)第3回 ロードオブ・ザ JC

“ロードオブ・ザ JC”とは?
これまで姫路⻘年会議所が開催した事業の中で、我々の⼿を離れた後も、今なお市⺠に引き継がれ、地域に根ざしている運動を後追い調査し姫路⻘年会議所と地域のつながりを再確認する物語である。

第3回は、2021年に未来ビジョン創造委員会が実施した「65周年記念事業 ひめじSDGsプロジェクト ~挑戦しよう!姫路から拡がる無限の未来~」に参加された市川美保さんを取材しました。 取材当日は、当時事業を担当していた未来ビジョン創造委員会の福原委員長にもご同席いただきました。

中央:市川美保さん

この事業は、播磨ひとづくりコンソーシアムが主催する「第6回播磨まちづくりアイデアコンテスト」から4つのアイデアを選考し、企業や団体と協働して実現に向けた議論を重ね、アイデアをブラッシュアップして実施するというものでした。

↑事業発表当日

市川さんが提案したアイデアは「じーはん募金」です。 その名の通り、自動販売機で募金ができる仕組みで、この自動販売機で飲料を購入すると、売り上げの全額が兵庫県姫路市内の子ども食堂に寄付されます。
なぜこのアイデアを思いついたのかについて尋ねると、市川さんは、募金は特定の場所(募金箱の設置された店舗など)に行かないとできないため、定期的に行うのは難しいと感じていたそうです。そこで、身近な自動販売機を活用すれば、小さな子どもから高齢者まで多くの人が利用でき、さらに海外の人々も簡単に参加できると考えたそうです。この身近な自動販売機を活用して、貧困をなくすというアイデアを提案したのです。 また、一般社団法人こども食堂支援機構の秋山宏次郎氏をはじめ、多くの方々の協力によりアイデアをブラッシュアップし、実現に至ったとのことです。
ボンマルシェの大塚社長にご協力いただき、英賀保店と白浜店の2つの店舗に設置できました。

↑じーはん募金設置風景
(左:ボンマルシェの大塚社長 右:市川さん)

当時の活動は下記のリンクからご確認いただけます。
https://www.himejijc.or.jp/2021himejisdgsproject/category2/

一般社団法人こども食堂支援機構
https://www.support-kodomo.org/

↑取材風景

市川さんは当時、姫路市立飾磨高等学校に在籍していましたが、その後、この事業が彼女の活動にどのような影響を与えたのかを伺いました。 事業に参加したことをきっかけに、SDGsや貧困問題について関心を持ち、日本国内でも貧困が問題になっていることを知ったそうです。元々は卒業後の進路について明確な考えはなかったものの、この経験を経て、神戸学院大学で児童福祉の道に進むことを決めました。

↑ゼミ集合写真

現在、市川さんは神戸学院大学社会リハビリテーション学科の大塚ゼミで、「子ども食堂のイメージを広く普及すること」と「どの地域でも子ども食堂が当たり前に利用できる環境を整えること」を目標に活動しています。ゼミ生8名で子ども食堂を企画し、SOMPO流こども食堂と連携して高齢者施設を借り、入所者と子どもたちの交流イベントも開催しています。
この活動は、単なる食糧支援にとどまらず、地域の人々に子どもたちの現状を知ってもらい、貧困問題への関心を高めることで、子どもたちが安心して過ごせる「居場所」を提供し、孤立を防ぐことが目的です。

↑SOMPO流こども食堂

社会リハビリテーション学科の大塚ゼミが「SOMPO流こども食堂」と連携した取り組みが、神戸市のサイトで紹介されています
https://www.kobegakuin.ac.jp/education/faculty_rehabilitation/news/493a7c88ce8c7be787b3.html

すまいるかいご食堂
https://smilekaigotown.sompocare.com/dining/

さらに、市川さんは実習の中で「人財不足」という課題を感じたそうです。福祉業界では「3K(きつい・汚い・危険)」のイメージが未だに根強く、給与の低さもあって福祉分野に進む人財が少ないといいます。この課題が解決されれば、もっと多くの人財が福祉の現場に進んでくれるのではないかと期待されています。

↑取材風景

最後に、“じーはん募金”の活動を通じてどのような学びを得たかをお聞きしたところ
「アイデアを出すだけじゃなくて、実際に様々な人たちの協力のおかげで多くの人たちを助ける力になることを実感しました。」
とのことでした。

市川さんの今後の活躍が本当に楽しみですね。
貴重なお時間をありがとうございました。第4回“ロードオブ・ザ JC”もお楽しみに!!