(社)姫路青年会議所
青少年委員会 委員長

東本 孝志
 21世紀を迎えた子ども達はこの新世紀をどのように考え、夢を持って生きていくのでしょうか。現代の子ども達は、自分のことを世界という大きなメカニズムの中の小さな部品としてしか認識出来ない、そんな無力感に囚われて成長してしまいがちです。そして、行動面においても、欲望拡大のあらゆる物資に囲まれ、お金さえあれば何でも手に入り、「物を買わなければ遊びすら始まらない」というような状況が、子ども達を消費型人間へと成長させていきます。しかし、山積みされている大変な問題を解決しなければならないこの新世紀に、今までのように大人社会の歪みを子どもに反映させ続ける事は、あまりにも無責任であるといえます。やはり、今こそ大人達は自分達が受け継いできた大切なものを子ども達に伝え、豊かな心を育んでやり、新世紀を担う子ども達の未来を光り輝くものとしてやらねばなりません。
  (社)姫路青年会議所 青少年委員会では、「創造力」をキャッチフレーズに「キラめき! 創造力 フェスティバル =ダンボールアート・コンテスト in はりま=」を開催致します。この事業は、「ダンボールアート・コンテスト」を中心にした、子ども達の創造性を発表できるステージや、企業などのブース展示が一体となった総合イベントです。このイベントを参加・体験していくなかで、子ども達に自分達の力で未来を切り拓いていくために必要な「創造力」を身に付けていただきたいと考えます。「創造力」とは精神面と行動面における創造性を発揮する為の豊かな心のポテンシャルのことです。「創造力」は創意工夫をしながら物事に取り組んだり、喜びをもって物事を造り上げていくなかで、子ども達の中に芽生えていきます。
  「ダンボールアート・コンテスト in はりま」では、身近なダンボールという素材をいろいろな視点で見つめ、「創造力」を使ってアイディアをだして設計をして、仲間と協力しあって1つの作品を造り上げていってもらいます。お手本の無い、ものづくりという過程の中から生まれる創造性。ものを共同製作する中から生まれる、目的達成の為の議論、作業分担、助け合い、それを経験することで学び取られる正しい自己主張の方法と協調精神。1つのものが完成したときの喜び、達成感。そして、作品がコンテストという 形で評価されることによって、子ども達に表現力を学び取っていただきたいと考えます。
 そして、会場内には、ダンボールという素材の種類、生産量、製品作りからリサイクルまでの工程などをブースにおいて展示し、子ども達に1つの素材によって社会の仕組みや環境問題の一端までを楽しみながら、学び取る事が出来ます。また、ダンボールという素材以外の身近な素材においても、工作教室や体験コーナーなどを設置する予定です。また、姫路海上保安署の巡視艇に親子で乗って、海上での環境についての体験学習も行なう予定です。
さらに、会場ステージでは子ども達による歌や踊りなどの発表が行われ、様々な形での創造力を楽しく紹介していきたいと思います。
 私達(社)姫路青年会議所 青少年委員会は、この事業を通じて、総合的な(素材の学習から設計、製作までの)作品づくりという「ものづくり」体験による「創造力」の育成、そして身近な素材の学習や広大な海で行われる体験学習などによって培われる「環境問題」への「創造力」のある視点の気づきを子ども達に身に付けていただきたいと考えます。